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その契約、解約できるかもしれません

当たり前ですが、現代社会においては、誰もが消費者です。事業をしている人でも、私生活においては一消費者となります。 消費者を取り巻く環境は年々変化してきており、そんな中で豊かな生活を求めるには、消費者一人一人が賢い消費者にならなければなりません。 今回は、消費者の皆さんにぜひ知っておいていただきたい2本の法律を概要だけご紹介いたします。



【1】消費者契約法について

消費者と事業者とでは、情報の質や量・交渉力において大きな格差があります。 また、市場の自由な競争を促進するために、規制緩和が進んでいます。 消費者が、自分が必要とする契約を自分の責任で選び、より豊かな消費生活を送ることができるよう、 消費者と事業者の力の差を埋めるために生まれたルールが消費者契約法です。

(1) この法律は消費者と事業者が結んだ契約全てが対象です。
 消費者とは、個人をいいますが、事業として又は事業のために契約の当事者となった場合は除きます。
 事業者とは、法人その他の団体、及び事業として契約の当事者となった個人をいいます。国や地方公共団体も含まれます。

(2) 契約を勧誘されている時に事業者に不適切な行為があった場合、契約を取り消せます。
 不適切な行為とは、以下のような行為を指します。
・嘘を言っていた(粗悪な偽物をブランド品である等)
・確実に儲かるとの儲け話をした(この株は必ず値上がりする等)
・うまい話を言っておいて、都合の悪いことを知っていて隠していた
・自宅や職場に押しかけて「帰ってくれ」等と言ったにも関わらず帰らなかった(訪問販売等)
・事業者から呼び出されたりして「帰りたい」等と言ったにも関わらず帰してくれなかった(キャッチセールス等)

(3) 契約書に消費者の権利を不当に害する条項は無効(無かったこと)になります。
 不当に害するとは、以下のような条項を指します。
・事業者が損害賠償をすることを全部免除しているもの
・事業者が損害賠償を何があっても一部に制限しているもの
・法外なキャンセル料や違約金を要求するもの
・遅延損害金(延滞利息)で年利14.6%を超えて取ろうとするもの
・その他消費者の利益を一方的に害するもの

契約書は捨てずに必ず取っておきましょう。特に高額な契約で契約書を作るのを嫌がる事業者であれば、契約は止めましょう。

契約を取り消すには、消費者が事業者に契約を取り消したいと伝えなければなりません。 取り消しを伝えた証拠を残すため、内容証明郵便を使うことが大切です。 また、不適切な行為があったことも消費者の側で立証する必要があります。 なお、契約と直接関係ない事項で事業者側に問題があっても契約は取り消せません。



【2】特定商取引法について

特定商取引法は、訪問販売や通信販売等、消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、 事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定めています。 これにより、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守るための法律です。

(1) 特定商取引法の対象となるのは以下の7種類です。

 ① 訪問販売
事業者が消費者の自宅等へ訪問して、商品、権利の販売又は役務(サービス)の提供を行う取引。以下のものを含みます。
・ホテルや公民館を一時的に借りた展示販売など、店舗に類似するものとは認められないもの
・街頭でのキャッチセールス
・電話等で販売目的を明示せずに消費者を呼び出したり、 ほかの者に比べて著しく有利な条件で契約できると消費者を誘って営業所等に呼び出したりするアポイントメントセールス

 ② 通信販売
新聞、雑誌、テレビ、インターネットなどによる広告やダイレクトメール等で広告し、郵便、電話、インターネット等で申込みを受ける取引のこと。インターネット・オークションも含むが、次項の電話勧誘販売に該当するものを除きます。 消費者にとって不意打ちとはならないことから、クーリングオフの適用外です。

 ③ 電話勧誘販売
電話で勧誘し、申込みを受ける取引のこと。電話をいったん切った後、消費者が郵便や電話等によって申込みを行う場合にも該当します。

 ④ 連鎖販売取引
個人を販売員として勧誘し、さらに次の販売員を勧誘させるというかたちで、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・役務(サービス)の取引のこと。 例えば、「入会すると商品を割引で買えるので、それを他の人に売れば儲かります」とか「他の人を入会させると紹介料がもらえます」などと言うものもあります。

 ⑤ 特定継続的役務提供
長期・継続的な役務(「えきむ」と読み、いわゆるサービスのこと)の提供で、金額が5万円を超えるもの。 エステティックサロン、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室の6つが対象とされています。 役務そのものだけでなく、役務提供を受ける権利の販売も含まれます。

 ⑥ 業務提供誘引販売取引
「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で消費者を誘引し、仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を負わせる取引のこと。 例えば、販売されるパソコンを使用して行うパソコン入力の在宅ワーク、販売される健康寝具を使用した感想を提供するモニター業務、 購入したチラシを配布する仕事などが該当します。

 ⑦ 訪問購入
事業者が一般消費者の自宅等へ訪問して、物品の購入を行う取引のこと。 貴金属等を中心に、主に高齢者や女性を狙った訪問購入による被害が急増及び深刻化したことから追加されました。

(2) 特定商取引法では、以下のような事項を事業者に義務付けています。

・勧誘する前に、事業者名や勧誘目的であることなどを消費者に告げること
・不実告知(虚偽の説明)や、重要事項(価格・支払い条件等)を故意に告げなかったり、消費者を威迫して困惑させたりするような不当な勧誘行為の禁止
・広告をする際には重要事項を表示すること、また、虚偽・誇大な広告の禁止
・契約締結時等に重要事項を記載した書面を交付すること

(3) また、消費者と事業者との間のトラブルを防止し、その救済を容易にするためのルールを定めています。

 ① クーリング・オフ
クーリング・オフとは、申込みまたは契約後に法律で決められた書面を受け取ってから一定の期間、消費者が冷静に再考して、無条件で解約することです。 契約締結時に「クーリング・オフができる」旨の書面を受け取っていないときは、いつまででもクーリング・オフができることになります。 クーリング・オフができる期間は訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供・訪問購入においては8日間、連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引においては20日間です。 通信販売には、クーリング・オフに関する規定はありません。

 ② 契約の申込み、またはその承諾の意思表示の取消し
事業者が不実告知や重要事項の故意の不告知等の違法行為を行った結果、消費者が誤認し、契約の申込み、またはその承諾の意思表示をしたときには、 消費者は、その意思表示を取り消すことを認めています。

 ③ 契約解除・中途解約の特例
訪問販売においては、日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える商品の売買契約(いわゆる次々販売等の過量販売)は、 クーリングオフ期間が経過した後でも、契約を解除することができます。 また、連鎖販売取引及び特定継続的役務提供においては、クーリングオフ期間が経過した後でも、将来に向かって契約の解除を行うことができます。

通常必要とされる分量は、以下を目安とされています。 いずれも原則であり、この目安を超えた販売分量が直ちに過量に該当すると考えるのものではありません。

商品・役務 商品・役務の内容等 通常必要とされる分量を著しく超える分量には当たらないと考えられる目安
健康食品 保健機能食品を含む健康食品全般 1人が使用する量として1年間に10ヶ月分
下着 体型補整下着(セットで装着し主に体型を補整する機能を謳うもの)でブラジャー、ウエストニッパー、ボディスーツ、 ガードル等4枚程度を組合せたセットなど 1人が使用する量として1年間に2セット
着物 着物・帯が基本。これに襦袢、羽織、草履等を組合せたものも含む 1人が使用する量として1セット
アクセサリー ネックレス、指輪、ブレスレット等の宝飾品全般(雑貨は除く) 1人が使用する量として1個
寝具 掛布団・敷布団が基本。これに枕、シーツ、毛布等を組み合わせたものも含む 1人が使用する量として1組
浄水器 1世帯について1台
健康機器 家庭用医療機器を含む健康機器全般 1世帯について1台
化粧品 化粧水、乳液、クリーム等のフェイシャルスキンケア商品 1人が使用する量として1年間に10個
学習教材 小・中・高の学習教材 1人が使用する量として1年間に1学年分
住宅リフォーム 屋根や外壁等の住宅リフォーム全般 築年数10年以上の住宅1戸につき1工事

 ④ 損害賠償の額の制限
消費者が中途解約する際等、事業者が請求できる損害賠償額に上限を設定しています。

【3】契約の解除について

クーリングオフをはじめとする契約解除の申し出は内容証明郵便で行うのが確実です。
行政書士名による通知をお勧めします。

内容証明郵便について詳しくはこちら

基本料金(内容証明郵便の作成・送付) 25,000円(消費税別)
行政書士名で発送する場合 5,000円加算
経済的利益が50万円を超える場合 50万円を超えた額の5%を成功報酬として加算